現在、李保華老師は日本を活動の中心にされ、東京で会員制教室を開講しながら、世界中で馬貴派八卦掌を教えられています。
馬貴派八卦掌を学ばれたい方は、公式サイト:馬貴派八卦掌伝播中心を御覧下さい。

2009年1月17日土曜日

2009冬:八卦掌講習会(5)

練習メニューは以下の通りでした。
  1. 龍形走圏(穿掌)
  2. 三穿掌(下盤)
  3. 燕子撤剪の単操
  4. 三穿掌(中盤)
  5. 小扣小擺歩の単操
  6. 龍形走圏(穿掌)
  7. 熊形走圏
八卦掌は初期その名前で呼ばれる前は董海川の名前を取って川掌と呼ばれ、また穿掌とも呼ばれていたそうで(川と穿は発音が同じchuān)、それだけ穿掌は八卦掌を代表する技であるとのことでした。その穿掌に関する歌訣を教えていただきました。
  • 千人在外我在中、穿花打柳任西東。(千人に一人取り囲まれて、自在闊達に穿掌を打つ)
  • 好漢怕三穿。(豪傑も三穿掌を恐れる)
  • 好漢頂不住三穿掌。(豪傑も三穿掌には勝てない)
  • 千招不如掌一穿。(千の技もたった一つの穿掌に及ばない)
  • 穿鼻刺目不客情。(目鼻を穿掌でそぐのに遠慮はいらぬ)
  • 上穿下坐。(上は穿掌で下は座る)
穿掌の母掌である三穿掌には上中下三盤があり、下盤の特徴として以下の3つがあるそうです。
  1. 金鶏撤膀
  2. 燕子撤剪
  3. 金鶏独立
しかしこれら3つは実は直接穿掌と関係なく、穿掌に適した身体に変えるための動作なのだそうです。ちなみに李先生は穿掌を学ばれたとき、ひたすら金鶏撤膀の練習をさせられ、何でこれが穿掌の練習なのかと思っていたところ、ようやく金鶏撤膀から穿掌の動作に移って初めて穿掌の感覚がつかめたそうです。
また下盤は下勢があるので一見つらいように見えるが、実は下に下がりきったところで休むことができるのに対し、中盤はまったく休む暇がなく本当はこっちの方がつらいとして、以下の歌訣を教えていただきました。
  • 円転如意唯中盤。(回転を自在にできるのは中盤だけである。)
  • 中盤也要下腿腰。(中盤も腰腿を下げなければならない。)
単換掌の次に重要なのが穿掌で、単換掌同様長い時間をかけて修得しなくてはならないものですが、その修得の方法は次の段階を踏むのとの由。
  • 力→勁→勢→気→神
そして最後の神の段階まで練功がすすんでようやく穿掌を学んだといえるそうです。
なお、三穿掌のような母掌は、実戦の技術を考えながら練習するのではなく、自らの身体を変えるために行わなくてはならない、としながらも手法や歩法の変化による実践的な穿掌の用法を見せていただきました。穿掌の中に内包される「墊歩、跟歩、過歩、倒歩、箭歩」といった歩法も見せていただいたのですが、今回は核心となる重要なものとして「小扣小擺歩」の練習をしました。

今日の練習は最後の熊形走圏で終わったのですが、これは通常の練習が「静→気血→動」とすすめるのと逆で、「動→気血→静」とすすめたそうで、一般の運動とは異なって、最後に気血を散じないように終えたとのことでした。

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