練習メニューは以下の通りでした。
- 龍形走圏(手形2種。通常版と穿掌版)
- 単探掌の穿掌版
- 双探掌の穿掌版
- 連探掌の穿掌版
- 回身穿掌(同探掌。ただし前に習った回身探掌とは動作が異なる。動作の意味からすると前の名称が間違っている可能性高し。)
- 穿掌対練の単操?
- 穿四門の一辺分?
- 穿四門
- ランダム穿四門?
※2-4の穿掌には定歩と活歩あり。
※母掌の三穿掌の練習は今日はなし。
まず龍形走圏から練習を始めました。歩いているうちに疲れてきつくなってくるが、そのときに上体がふらついてはいけない、そのときこそ、上体を安定させて気を緩めることなく、いっそう下へ下へと歩いていく。そうすることで、上下の気血が交じり合って沸き立ち、養われるようになるのだそうです。
続いて龍形走圏の手形の変化もいっぱいあって、そのうち通常の形が「推磨」の形であり、今日は別の形として「穿掌」の形を習いました。いつもより長めの走圏をしたため、母掌である三穿掌の練習は持たないだろうとのことで、そのまま、穿掌の練習へと移行しました。
さて、探掌と穿掌の変化の違いは次の通りです。
- 探掌変化:前八掌+後八掌+隔単掌=17の変化
- 穿掌変化:無限の変化
穿掌がとりもなおさず八卦掌を代表する技とされるのは、単に有効な攻撃の技術だからではなく、穿掌が八卦掌の全体系を内包するためだそうです。そのように言われる理由には次の三つがあります。
まず第一に走圏。一般に修行の過程は「道→法→術」と根本から末端に進んでいくわけで、八卦掌においてはそれは「走圏→掌法→探掌や穿掌」となります。つまり攻撃の技術を磨くにはまず本質である走圏がやはり肝要となります。穿掌を支える力は走圏によって培われるのです。
第二に方向。縦横に移動して相手とのベクトルを有利に設定します。
第三に変化。臨機応変に穿掌の攻撃のかたちは変化します。
この三つの要素によって穿掌は初めて穿掌たりえ、同時にこの三つの要素は八卦掌そのものの特徴でもあるのです。
なお穿掌の基本動作は単換掌の葉底蔵花にあり、相手にどこから手が出てくるか悟られないような変化は単換掌で培われます。また葉底蔵花と同じく手が動くのではなく身体が動くというのが穿掌の動作の根本。勢いで前にのめりかけることはあってもそれは動きの本質ではないそうです。
また穿掌の練習の方法は、最初に正しい形をしっかり作るよりも、自由にスムーズに動けるように練習することから始めて、その後で徐々に正しい形で行えるように修正していくのだそうです。これは「神」を鍛えるところから始める高級な練習方法であるとの由。ただし正しい形を気にしなくてよいといっても、核心部分は押さえておく必要があり、それは穿掌は手で打つのではない、ということだそうです。構えた手自体は動かず、身体の回転によってそれが穿掌に変化する、それが葉底蔵花の動作と相俟って相手に察知されなくなるのだそうです。ちなみに打った際に体が前傾しているように見えても、それはそのように打っているのではなく、極力中正を保って打っても、勢いで少し傾いてしまうだけであるということでした。
なお穿掌後の回転の動作は「
左右磨身保無差」と言われるように磨身掌によって養われるので、これは後半の講習会で練習するそうです。